(4)テッポウユリの花粉栄養細胞で特異的に発現するヒストンH3.3様遺伝子

 本研究では、テッポウユリの若い葯と成熟花粉それぞれのcDNAライブラリーからヒストンH3遺伝子を単離し、若い葯の遺伝子をYAH3、成熟花粉の遺伝子をMPH3と命名した。両遺伝子の花粉発生過程における時間的、空間的な発現解析を行ったところ、YAH3がS期特異的に発現したのに対し、MPH3は花粉発生過程特異的に発現し(下図1)、その遺伝子産物は2細胞性花粉の栄養細胞に蓄積が見られた(下図2)。また、推定アミノ酸配列の比較から、YAH3が通常のヒストンH3であるのに対し、MPH3はヒストンH3.3-likeであった(下図3)。ヒストンH3.3とはS期非依存的に発現し、転写活性の高いクロマチンに取り込まれるヒストン変種である。このことから、MPH3は転写活性の高い花粉栄養細胞のクロマチンに取り込まれることが示唆された。(佐野弥生子)

1.ヒストンH3の時間的な発現解析


上;ノーザンブロット解析

下;RT-PCR解析

数字は蕾長、MP;成熟花粉、Rt;根端、Sa;茎頂、Yl;若い葉、Ol;成熟葉、Bu;鱗片、Ov;胚珠

2.ヒストンH3の空間的な発現解析

上;2細胞性花粉におけるYAH3のin situ hybridization解析

下;2細胞性花粉におけるMPH3のin situ hybridization解析(lはgH3)

Gは雄原細胞、Vは栄養細胞を示している。

数字は蕾長、MPは成熟花粉。

3.ヒストンH3のアミノ酸配列解析

テッポウユリと他の生物種のヒストンH3の比較

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