(3)花粉における乾燥耐性関連タンパク質の検出

 テッポウユリ花粉の成熟過程で特異的に出現するタンパク質の中から、種子などで知られているLEA様タンパク質(乾燥耐性関連タンパク質)と相同性を示すタンパク質(LP28)が見出された(下図 1)。それを抗原に抗血清を得、免疫電子顕微鏡法によって細胞内での局在を解析したところ、成熟花粉では栄養細胞質中の顆粒内にシグナルが存在するのに対し、吸水による花粉の発芽後には花粉管壁の内層に多くのシグナルが見られた(下図 2-1)。一方で、花粉発生過程において、LP28は細胞壁構成成分のカロースと局在を共にしていた(下図 2-2)。これらのことから、このタンパク質は、花粉のストレス耐性のみならず、正常な発生(花粉管伸長)にも機能している可能性が示された(最上則史博士:現 科学技術振興機構 筑波大学応用生物化学系)。

1.小胞子ならびに成熟花粉タンパク質の二次元電気泳動像

赤い矢印は成熟花粉において豊富または特異的に存在するスポットを、青い矢印は小胞子において豊富に存在するスポットを示す。

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2.免疫電子顕微鏡法による局在解析

2-1 成熟花粉と発芽花粉

上は成熟花粉におけるLP28の局在を、下は花粉管壁におけるLP28の局在をそれぞれ示す。

黒い粒子がLP28の局在を示している。矢印は顆粒構造を示す。(L: 脂肪球 OL: 花粉管壁外層 IL: 花粉管壁内層)

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2-2 減数分裂期

A: 前減数分裂期 B: 第一減数分裂後期 C: 二分子期 D: 四分子期
A: 左上 葯 左下 葯の断面図
B〜D: 左上 DAPIによるDNAの染色 左下 アニリンブルーによるカロースの染色
A〜D: 右 抗LP28抗体と抗カロース抗体を用いた二重染色(四角で囲んだ部分)
LP28は大きな黒点で、カロースは小さな黒点で示されている。
(Cy: 細胞質 W: 細胞壁 Se: 隔壁)

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